V6. 入院適応を考えると日本の医療が見えてくる


内容紹介


Editorial
今回のテーマは入院適応(admission criteria) です.
これはいろいろな切り口から見ることが出来ると思います.例えば患者の疾患の性質,重症度.必要な 治療が外来通院で可能か?患者の考え方(patient preferences)リスクマネジメントなどから医師患者 関係までが複雑に絡み合って決定されています. 純粋に医学的な適応の判断は各病院や診療グループ単位で議論されており,ある程度のコンセンサスは 図られていると思いますが,実際にはその場のシチュエーションや医師の裁量も大きく影響していると 思われます.
そんな中で,特に昨今入院させる際に問題になっている事柄に高齢化問題が絡んでいるように思います. 実際にみなさんがプライマリケア領域で入院される側も送る側の高齢化が生み出した問題に直面した ご経験があるのではないでしょうか?
いったい何が問題でそしてその裏になにが存在するのか? そういったことが公に論議される機会は少なかったようにおもいます.
なぜ入院適応なのに入院できないことがあるのか?
なぜ入院適応でもない人が入院を希望するのか?
そしてなぜ入院適応そのものが標準化できず,同じ患者についての入院適応が立場や人によって変 わってきてしまうのか?
それらの問題を討議していくうちに日本の医療の問題点が浮き彫りになってきました.

編集: 松下達彦 済生会滋賀県病院 総合内科


目次

1.Editorial
 入院適応を考えると日本の医療が見えてくる/松下達彦・藤沼康樹・横林賢一  
 ジェネラリスト教育コンソーシアム設立趣意書
 Japanese Consortium for General Medicine Teachers

2.Group discussion
 入院適応を考えると日本の医療が見えてくる/藤沼康樹・徳田安春・横林賢一・松下達彦・大島民旗  

3.Lecture
 質の高いプライマリ・ケアは不要な(緊急)入院を防げる?/藤沼康樹  

4.Short lecture
 入院適応を考える際に知っておくべき日本の医療政策/栄原智文
  働き盛りの入院適応/石丸裕康

5.Poster Session
  1:地域中核病院から見た入院適応/大島 民旗
  2:送る側の入院適応―在宅編/原 穂高
  3:診療所での入院適応:当院におけるACSCs を通じて/重島祐介

6.Special Articles
 医療の中の「入院医療」を考える/下 正宗
 地域の視点から入院適応を考える/大島民旗
 医療者のモチベーションと入院適応との関係/松下達彦
 地方都市における医師不足・医師偏在から入院適応を考える/川島篤志
 大学病院の立場から入院適応を考える/柳 秀高
 入院適応を考える際に知っておくべき日本の医療政/栄原智文
 退院支援の要点/山本 祐
 働き盛りの入院適応/石丸裕康
 高齢者の入院適応/山口 潔
 在宅患者の入院適応/原 穂高
 患者背景による入院適応の判断-私はこう考える 生活困窮者の入院適応/臺野 巧
 施設入所者の入院適応/仲里信彦
 精神疾患患者の一般病床への入院適応/ 本村和久


Vol. 6 入院適応を考えると日本の医療が見えてくる

編集:松下達彦, 藤沼康樹, 横林賢一
B5 157 ページ
ISBN 978-4-906842-05-6 
定価 3,600 円(本体 3,600 円+税)


第6回コンソーシアムは2014年6月21日に神奈川県関東労災病院にて行われました。入院適応をテーマに議論が展開されました. 本コンソーシアムはジェネラリストという枠組みで構成されており,家庭医と病院総合医の先生方が混在した中で入院適応の議論が交わされています.そのほかに当日の議論とは別に、入院適応に関するそれぞれの立場から、13編のSpecial Articlesが収載され、充実した内容となっています.